『文明の創造』を通して更に御悲願達成の理念、具体策を見い出す
さて、4月度に各地で執り行った「メシヤ講座」の最終回は、北海道札幌市定山渓での「伊都能売観音」様参拝日でした。各地で様々な角度から話し合い、最終的に、挨拶の中で『文明の創造(一)』の「はじめに」を読み上げることが相応しいと思い、挨拶に添えて私が朗読いたしました。ここでまず引用いたします。
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「はじめに」
この度、御論文『文明の創造』を仕上げるという無謀とも思える大事業に着手し、その第一弾として『文明の創造』の『総篇』を上梓させていただきました。
この御論文は、メシヤ様が『最後の審判』を前にあまねく人類に伝えようとして御執筆になられたものです。それ故に口述筆記をされるご様子も異なっていた、と聞き及んでいます。
私が「世界救世(きゅうせい)教」本部職員時代に山本慶一氏(当時は同常任理事・御在世時は筆記担当の側近奉仕者)から伺った折には、メシヤ様は御論文の口述筆記を夜十時半にお始めになり、その際まず後ろ頭の上部を自己浄霊されてから前回筆記の末尾二、三行を読み上げさせ『よしっ』と仰って、その後テープレコーダーのように淀みなく口述された、ということでした。
ところが、『文明の創造』だけは「昼間、ちょっとでも時間が空くと筆を執られた」ということでした。メシヤ様は一人でも多くの方々が『最後の審判』を乗り越えられるように完成を急がれたものと拝察されます。また、夜ではなく昼に御執筆されることを通して『昼の時代』到来を意識付けられた、とも受け止めることができます。
メシヤ様の御心を求める姿勢として今回苦心したのは、旧字体及び旧仮名遣いをそのまま使用して、読み辛い漢字にルビを用いた、ということです。「岡田茂吉全集」は現代仮名遣いへ修正されており、旧字体も廃されています。そのため意味の伝わりにくい面があります。また、ルビの使用も一貫性がないために読み辛くもあります。そのようなことから昭和五十九年当時に同教「教学委員会」でまとめられていた「論文集(未定稿)」を原本とし、現代仮名遣いのルビを使用しました。すでに『科学篇』に着手していますが、表記方法をこのように確定したことにより、研鑚資料として随分拝読しやすくなっていると自負しております。
編纂、校正の作業に当たっていただいた濵口博幸さんはじめ三重支部の方々には幾度も変更に応じていただきました。その都度、誠を以て御神業奉仕に臨んでいただきましたことを、この場をお借りして心から感謝いたします。
『文明の創造』は以前にも「メシヤ講座」で連続して取り上げたことがありますが、改めて拝読いたしますと、「世界救世(メシヤ)教」を開教されたメシヤ様の御意図が行間に滲み出ております。そして、『可能な限り全人類を救済する』『地上天国を建設する』という、御神業に対する御情熱が幾重にも迫ってまいります。また、拝読を重ねるごとに、メシヤ様の御悲願を達成するための理念、具体策を再確認させていただけます。
さらには、御神業推進の在り方を見直しさせていただくこともできます。その根幹は浄霊という絶対的救済力の源である御存在への認識であります。冒頭に記述された『此(この)著はキリストが繰返し曰(い)はれた処の、彼(か)のエホバ直接の啓示でもある。』を目の当たりにした際には、世界布教の道標(みちしるべ)というものを再発見できた意味も加えて驚喜いたしました。
研鑚資料として繰り返し拝読に努められ、御論文を仕上げるという大事業に寄与されることを切に願うものです。すでに拝読されたことのある方も、今一度虚心坦懐になられて熟読玩味していただければ幸甚です。
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という内容です。
ここに『此(この)著はキリストが繰返し曰(い)はれた処の、彼(か)のエホバ直接の啓示でもある。』という記述を何故殊更に紹介したかと申しますと、御論文『文明の創造』の発信元を明らかにされた部分だからです。改めて『主神様直接の啓示』であることを認識せねばならないと強く思わされ、そのことが、メシヤ様お出ましの「夢物語」の御神意に触れることでもある、と受け止めたからです。
今までの宗教では解き明かすことのなかった悪の発生理由と発生の仕方、文明を築く上での善悪の役割という文明論の根本義を示していただき、本来の文明を創造する在り方を明らかにしていただいているのです。
そうしたことから、『文明の創造』仕上げ作業の手順を詰めている際の3月4日に「メシヤ様の御精神を現代に求める座談会」へ次のように投稿したのです。
「一方、『此(この)論文は文明の創造中の一節である。』という但し書きがあり『九分九厘と一厘』とされている内容を改めて確認しますと、驚くことに『いつも言う通り今や夜が終り、黎明期に一歩入った現在であるから軽く済み、予定通りの進展を遂げつつあるのである。』と記述されています。メシヤ様の昭和27年1月9日時点の時代認識が明確に述べられています。
また、本文中では科学の真相、とりわけ医療、農業の欺瞞を指摘され『茲(ここ)で別の意味からみれば、神の力は十全であり、邪神の力は九分九厘であるから、神の方が一厘勝っており、此(この)一厘の力を以て掌を反すので、此(この)力こそ如意宝珠であるから、私が常にいう如く、現代文化は九分九厘迄で切替えとなり、其(その)時がキリストの言われた世の終りであるという訳である。従って、此(この)力こそ霊界に於ては仰天動地の一大異変が起るのは必然で、此(この)事を信じ得る人にして、永遠なる幸福者となるのである。』と明言されています。
『永遠なる幸福者』という御言葉が輝いており、この場のテーマにピッタリである、と感動した次第です。作業に取り組むほどに感動が度重なります。」