美術品の観方
<手鏡「翰墨城」について>
代表:それから話は変りますが、皆さん分院さんですかね。凄く御神業を担って来られたと思うのですが、さっきお話させていただいた美術品を観る時に、例えば手鑑「翰墨城」っていうのがあるでし
ょう、国宝の中に。手鑑「翰墨城」って何ですかって聞かれたら、皆さん何と答えるんですか?
国宝3点の中の一つですよね。藤壺とか紅白梅図屏風はすぐわかりますけど。手鑑「翰墨城」って何ですかって?・・・確かに手鑑なんですよね。
参加者:書じゃないですか。
代表:そうですよ、手鑑、書の鑑なんですよね。それを見てみんな練習したんですよね。だから手鑑「翰墨城」と言うんですけど。じゃあ、その書を何故練習していたか?・・・これですね、メシヤ様も抹茶を飲んでいる写真なんかあるでしょう。
メシヤ様は何故茶道をやられたかというと、お茶を習った場合、お茶事までたどり着いてないお茶をやっている人は、結局お茶が分かってないわけです。
お茶事をやる時には、まず招待状を出して、その招待状を受けた側は返事を書いて、その返事の内容に応じて接待の内容が変ってくるわけ、お茶事というのは。
だから、その為にその作法は、まず知っておかないといけないけれど、その作法に則って返事をする時に書く為に、書は練習しとかないといかんわけ。その書の為に「翰墨城」というのはあるんだという、こういう繋がりで美術館全体を見ておかないと。
ただあれは、いい美術品だとか、高価な国宝、重要文化財、重要美術品なんだという見方では、我々の日常生活は何にも変っていかない、その美術品を観ても。
「これはすばらしい国宝なんですよ」と観て帰って来ても、自分の生活は何も変ってない。この美術品は何のために作られたもので、そしてそれを日常生活にはこういうふうに活かされていたんだと。だから我々はそれを観たからには、自分の生活をどのように変えていかないといけないのか、どういうところを目指していかないといけないのかというところまで観て帰って、話し合いが出来て、しかもそれをやり始めた時に初めてMOA美術館に行って来て良かったという話になるわけ。
あれ観て来て、「今回は何々展だったねぇ」とかいうのを話したって何にも生活は変っていかない。「あそこで、あった美術品は、こういう願いがあって作られて、それは我々の日常生活の中では、こういうことを生活の中で向上するために、目指していかないといけないことなんだね」という話し合いが出来て、それを実践し始めた時に、初めてMOA美術館に行って来た価値が出てくるわけ。
〈日常生活に御教えを 取り入れることが大切〉
参加者:だから御教えもそうですよね。御教えを生活の中に取り入れるという事を教えてないから、全然何も変っていかないんですね。
代表:そうですね。だから、メシヤ様が御昇天された後、ずうっと世界救世(きゅうせい)教がやって来なかったために、皆さん方が日々一生懸命、御神業を担ってきたけれども、生活がですね、変ってないご家庭がずいぶんある。その辺が大変申し訳なかったと思うんです。
だから申し訳ないがゆえに、今、メシヤ教というものを通して、その点を変えていただいて、メシヤ様が願っているような信仰生活になっていただくようにお世話をしていくのが、岡山県の場合は、この岡山支部を通してさせていただくんだというふうに、受け止めていただければですね、大変ありがたいと思います。
〈藤壺を購入された御心は・・・〉
代表:そこに藤壺がありますが、この藤壺の使い方というのは聞いたことがありますかね。藤壺をどうやって使っていたのか?
参加者:お茶を入れていたんですか。
代表:ええ、どういうふうに入れていたか、そういうのは余り聞いたことない?
参加者:ええ。
代表:あれは新茶を入れて、初釜の時に、上の紐を切って出すために、あの紐を掛けてですね、そして蓋をして縛って、軒下に掛けていたんです。だから、あの取っ手を付ける穴が4つあって、そして掛けて、そして初釜の時にそれを切って中身を出して、それからこうやってお茶を作っていたんですよね。
その中に入れるお茶が、如何にもすばらしいというのと、この藤が軒下に飾られてた時に藤が揺れているように見えるから名作なわけなんで、しかもその蔓が一本なんですね。この藤の蔓の一番上に
出ているところがあるんですけれどもね、ここからスタートしているんですよ。ここからスタートして一周して、ここで終わっているんです。丁度、一周しているんです。
それからこう回しても、藤の花がどこから見てもバランスよく描かれているから、絵付けにしてもすばらしい。それから、ここに通して縛って、軒下へ掛けていた。
じゃあ、メシヤ様は何故これを買われたかというと、初釜の時のお客様を接待する心とかを、メシヤ様は全て身に付けていたということですね。だから、掃除から始まって掃除に終わる。
それからメシヤ様ご自身が、こういうお花を活けられていたというのは、茶道の全てを分かっていたから、そういうお花を活けたり、そういうこともメシヤ様ご自身でされていたんです。その教祖を我々は信仰しているわけなので、自分達の生活がそこを目指していかないといけないわけなのでね。是非、そういう気持ちを持っていただけるとね。
参加者:メシヤ様の御日常を神習えと、ずっと言われてますよね。
中々神習う所までいかない・・・。
代表:神習えという掛け声はずっと掛けてきた。しかし、その中身が具体的にどうなのかという話がないので、みんなの目指すところが分からないまま、ずうっと来てしまったということですよね。だ
から、これから目指すところを明らかにしていくということですね。
参加者:益々きびしいですね。
代表:いや、楽しまないといけない。美術品の意味も分かると楽しいでしょう。そんなんかぁーっと。じゃあ、もっと知らないといけないという気持ちになってくる。
洗濯物のたたみ方からスタートするわけですからね、もう家事が楽しくなるでしょう、これからね。
【平成24年9月メシヤ講座 岡山支部より】