誠の有る無しを簡単に知る方法
誠の有る無しを最も簡単に知る方法を書いてみよう。誠のある人は何よりも約束を重んじよく守る事である。単に約束を守る守らないだけでは世人は大した事とは思わないが、実を言うと中々そうではない。即ち、約束を守らないという事は人を偽った事になるから、一種の罪悪を犯した事になる。約束の中でも一番軽視し勝ちなのは時間である。時間の約束をしておき乍ら守らない事をよく考えてみるがいい。即ち、先方は当にして待っているので、その退屈や焦心は中々苦痛である。諺に言う「待たるる身になるとも待つ身になるな」という事でも分る如く、待っている人の心持を察すべきで、その心が湧かないのは誠がないからである。とすれば外の事は如何に良くても何にもならない事になる。従って神の信者たる者は、約束の厳守、時間の励行を疎かにしてはならない。もしその実行が出来ないとすれば、先ず信仰の落第生である。信者たるもの、よろしく肝に銘じて忘れてはならないのである。
【天国の福音書「誠の有る無し」より 著述篇12 P109】