『人間を機関として一大経綸を』

前回に続いて『世界救世(メシヤ)教 早わかり』について、触れてまいります。このご論文を改めて拝読いたしますと、『早わかり』とは当時の教団内の者に向けて仰っているのではないか、と思わされる箇所が随所に拝見できます。現代でも同様に受け止められることは勿論のことです。

そのような感懐に浸りながら3月の「メシヤ講座」では、2月分に掲載したご論文を各会場の代表者に声に出して拝読していただき、「どこが重要だと受け止めますか」と問い掛けました。その返答を交えながら、確認作業を進めました。

確認作業の主たる内容は、明確に認識していただきたいところを抜粋しながらご説明するということです。明文化されているので、そのままを受け止めればよいのですが、深く認識を促すために文言を重ねました。。「メシヤ講座」参加者の皆さんは、その内容を明確に理解してくださいました。中には「そのように一行一行を噛み締めるように拝読したことはありませんでした」と赤裸々に述べてくださる方もいましたが、そうしたお姿を非常に好ましく感じると共に心強く感じました。

信仰生活の要め、取り分け『経綸』を拝察する場合には、勘違いや錯覚をしてしまわないように注意を払わねばなりません。そのためには、“メシヤ様が他の教祖と際立って異なる判釈をお持ちであった”ことをしっかりと認識しておかなくてはなりません。

そこでまず、前回掲載のご論文中の7行目『そうして愈々新文明の創造時代になったとしたら、其(その)雄大なる構想は如何なるものであろうかを予(あらかじ)め知って置く必要があろう』という部分に着目してまいりましょう。そこでは、次のように後述されております。

『勿論其(その)為には神は一個の人間を通じて行わしめると共に、其(その)人間を機関として一大経綸を行わしめるのは当然である。それに選ばれたのが誰あろう、私という者であるとしたら本教の出現の理由も理解出来ない事はあるまい。』

かねてから『機関説』ということが論じられておりましたが、メシヤ様御自らこのように明確に述べられております。『人間を機関として一大経綸を行わしめる』と述べられ、しかも『選ばれた』という表現をご使用になっております。ここは重く受け止めねばならないところです。

そうでなければ、「メシヤ様=主神様」だが「メシヤ様<主神様」であるということを理解できません。度々述べてきたように、メシヤ様が何のために御肉体を以ってご降臨されたかが重要なのです。

そして、更に『故に神は天国の設計を時々刻々私に対って啓示され給うので、私は其(その)命のまにまに経綸を行いつつあるのである。』とも述べられております。ここは、より大きな意味を有します。

経綸とは、この文章に明言されているのです。それが「世界救世(メシヤ)教」を開教して後の『経綸』という表現を用いた時の中身であり、実はこのことを理解しておきませんと勝手な都合の良い使用法をされてしまいます。組織に都合の良いことを信者へ押し付ける際に「経綸だから」という表現を用いるのです。これでは本末転倒になってしまいます。何故なら、メシヤ様は天国的信仰を目指されたのですから。

また、メシヤ様は、全てのご準備をなされてご昇天になっております。「経綸」の中身は縷々述べられているので、根幹になる御神意に基づいて時代の推移を見つめてゆく、それが以前ご説明した「教・論・律」の在り方の基本姿勢になっています。

私達信者にとっては、メシヤ様のご在世中の生き様をそのまま我が物とするように目指し、努力を重ねることが信仰生活なのです。そこで、それらの上でしっかりと認識しておかねばならないことが次に記述されております。

平成20年3月メシヤ講座より

 

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