日と月

『地上天国』九号　昭和二十四年十月二十五日

 

宗教上より見たる日と月に就て説明してみるが、之は甚だ神秘幽玄にして、コジツケとみらるる節なきに非ず、然し之は真理である以上、心を潜めて判読されたいのである。

日本古代に三種の神器がある。

之は璽(たま)、剱、鏡という事になっているが、即ち玉は日であり、剱は月であり、大地は鏡によって表徴されている。

玉は太陽の形であり、剱は三日月の形であり、鏡は八咫(やた)の鏡と唱え八凸に分かれている。

即ち東西南北、艮、辰巳、坤、戌亥の八方を型どったものである。

此三種の中で大地は判り切っていて説明の要はないが、日月に就ては深い意味があるから、それを書いてみよう。

茲で解り易くする為、天理教で唱える説を借りてみるが、それは月は突きであり、日は引くという意味で、日月とは引きと突きであるという。

之はなかなか面白い解釈と思う。

それは夜の世界に於ては何事に於ても突く事を好む。大にして国と国とが互いに突き合う。戦争がこれである。衝突という事も突き合いである。

古代に於る戦争は剱で突き合った事は明かである。それが転化して交際することもつき合いという。文字が違うだけで言霊は同一である。

突き進むという言葉は勝利を意味する。全く月の働きであり、夜の世界を表している。

右に引換え、ヒキ、ヒクは、退く事である。引寄せる、陣を退く、敗北する、腰を低くする というように凡て月と反対であり、此理によって昼の世界は凡てがヒキの働きであるから、負ける事を善しとする。人間では謙虚である。之では争いの起こりよう筈がない。

吾々の方では風邪を引く事を良いとしている。本教団の目的が病貧争絶無の世界をつくるというその争がなくなるのは、以上の意味から考えらるるのである。

本教団は日即ち火素の活動が主である以上、月でなく引きを心に銘じて活動すべきで、それによって多くの人が引き寄せらるるのである。

又日は玉であるから、円満清朗、円転滑脱でなくてはならないのは勿論である。