【月次祭の学び】「霊界の三段構造と幽玄力 ― 神幽現・天国・八衢・地獄」
人は亡くなったあと、どんな世界へ行くのでしょうか。天国と地獄の間には何があるのか。そして、生きている私たちの魂は、その世界とどうつながっているのか。
メシヤ様(明主様)は、信徒の問いに答える形で、霊界のしくみを細かく説かれています。今回は11月の月次祭で学んだ、霊界の「三段の構造」と、黄泉の国にまで届く「幽玄力」について、図を交えてご紹介します。
とくに今回、多くの方に知っていただきたいことが二つあります。一つは、私たちの霊魂には「元」があるということ。もう一つは、その元から放たれる 「幽玄力」 です。
霊魂には「元」があった
私たちの魂は、この体の中だけにあるのではありません。メシヤ様は、はっきりとこう説かれています。
一番の元は幽玄界で、之が霊魂の元で、霊線によって生体と繋っている。 (講話集補268「幽魂・現身の関係と使命」)
霊魂には「元」がある。その元は「幽玄界」という、霊界の一番上にある。そして、その元と私たちの生きた体は、「霊線」で今もつながっているのです。
これまで、魂といえば、体の中に宿るものというイメージがあったかもしれません。しかしメシヤ様は、その魂には、さらに奥に「元」があると教えてくださっています。この一文が、今回の学びの中心です。
縦の霊魂と、緯の霊魂
霊魂について学んできた方の多くは、「霊層界」の話をご存じだと思います。天国・八衢・地獄のどの段に霊魂がいるのか。霊が曇れば段が下がり、浄まれば上がる。これは、霊魂の「縦」の姿です。
しかしメシヤ様は、霊界にはもう一つ、「緯(よこ)」の三段があると説かれています。幽玄界・想念界・言霊界です。そして、霊魂の元は、この緯の一番上、幽玄界にあるのです。
◆ 縦(経)の霊魂
・世界:霊層界。神界・幽界・現界、天国・八衢・地獄
・霊魂との関係:霊魂がどの段にいるか。幽魂・現魂として働く
これまで:多くの方が学んできた
◆ 緯(よこ)の霊魂
・世界:幽玄界・想念界・言霊界
・霊魂との関係:霊魂の「元」がある。霊線で体とつながる
・これまで:あまり知られてこなかった
霊魂は、縦の霊層界の中だけにあるのではありません。緯の世界に「元」を持ち、縦と緯が交わるところに置かれている。この「緯の霊魂」を知ることが、このあとの「幽玄力」を理解する鍵になります。
霊界は三段、その中がまた三段
メシヤ様は御講話で、こう語られています。
霊界も一、二、三。神界、中幽界、現界と。それがまた三つに分かれているのです。天国も第一、第二、第三となっている。ですから第一天国に日が現われたのが日蓮上人のときです。それから第二、第三と。第三あたりがちょうど明治というわけです。
霊界は大きく「神界・幽界・現界」(神幽現)の三段に分かれ、それぞれがまた三段に分かれています。天国の中にも、第一・第二・第三の段があるのです。
そして、第一天国に日が現れたのが日蓮上人の時、第三あたりが明治。霊界の変化は、やがて現界の歴史に現れる。「霊が主で、体が従」という霊主体従の法則が、歴史の上でも示されているのです。
天国・八衢・地獄 ― 仏教と神道
ある信徒が「神幽顕、幽玄界・想念界・言霊界、天国・八衢・地獄、此三段三段は何か関係が御座いますでせうか」と伺ったところ、メシヤ様はこう答えられました。
中有界は極楽・地獄の間といふ事で、八衢には幽庁や冥官があるから幽冥界といふ。一番上が幽玄界である。仏教では六道の辻といって、極楽への道が三つ、地獄への道が三つある。神道では八衢といふ。
神道では天国は仏教の三段より一段上まであり、地獄は根底の国といって、又一つ余計にあるので、四つずつで八つになる訳である。 (講話集補141、昭和23年)

仏教では、極楽への道と地獄への道が三つずつ。神道では、天国がさらに一段上まであり、地獄にも「根底の国」が一つ加わります。四つずつで八つになるので、その間の世界を「八衢(やちまた)」と呼ぶのだそうです。
仏教と神道は、同じ霊界を別の言葉で語っていた。メシヤ様はそれらを、一つの地図の上に重ねて示してくださったのです。
幽界と幽世大神(大国主命)
天国と地獄の間にある八衢。そこには「幽庁(ゆうちょう)」や「冥官(みょうかん)」がいる、とメシヤ様は説かれています。
幽冥界は霊界の事である。霊界の中の中有と地獄を総称したもので、天国や極楽は入らぬ。八衢を幽界といふ。冥界も八衢の下の方である。閻魔の庁を幽庁といい、役人を冥官といふ。 (講話集補142、昭和23年12月22日)
閻魔の庁は八衢にある。そして、この幽界を治めておられるのが「幽世大神(かくりよのおおかみ)」です。
幽界は中有、地獄両方である。一切を主宰さるるが、地獄の方が濃い。幽は霊界の感じを表はしてる字である。 (講話集補144、昭和24年5月12日)
幽世大神様とは、大国主命のことです。中有界と地獄の両方を主宰され、とくに地獄の側にその働きが濃く現れる、と説かれています。
霊層界は、天国・八衢・地獄がそれぞれ六十段、合わせて百八十段からなるとされています。そのうち、八衢(中有界)の六十段と地獄の六十段、合わせて百二十段を主宰されているのが、大国主命様ということになります。
そしてこの大国主命様こそ、拙著『神秘の扉Ⅱ』で書かせていただいた、出雲王家の大国主命様です。古代の出雲で国づくりをされた大国主命様が、霊界では幽世大神として、八衢と地獄を治めておられるのです。
これは、日本の古典とも重なります。日本書紀の国譲りの場面(一書第二)で、大己貴神(大国主命)は、目に見える世界(顕露の事)を皇孫に譲り、「吾は退りて幽事(かくれたること)を治めむ」と答えています。見える世界は皇孫に、見えない「幽」の世界は大国主命に。
「幽世大神」という御名は、まさにこの役割を表しているのです。
幽魂と現魂 ― 私たちの魂とのつながり
霊界の話は、遠い世界の話ではありません。生きている私たちの魂も、この世界とつながっています。
幽魂は幽界即ち霊界に働く。現魂は現在の魂、現界へ働く身魂、生きてる人の魂で、肉体と同じである。一番の元は幽玄界で、之が霊魂の元で、霊線によって生体と繋っている。(幽魂が神様に繋り、それが救われる事により現体が救はれる)神様はその係の神を通じて幽魂に命ずる。それが天職使命であり、自ら使命の事をする事になる。
幽魂は人間の良心ともいえる。 (講話集補268)
◆ 幽魂(ゆうこん)
・働く場所:幽界(霊界)
・どんな魂か:人間の良心ともいえる
・神様との関係:神様に繋がり、係の神を通じて命じられる
◆ 現魂(げんこん)
・働く場所:現界
・どんな魂か:生きている人の魂。肉体と同じ
・神様との関係:幽魂が救われることで、体も救われる
幽魂が神様に繋がり、救われる。すると、現界の体も救われる。霊が先で、体はそのあと。浄霊で霊を浄めると体が良くなる、という原理そのものです。
「幽魂は人間の良心ともいえる」という一言からは、日々の良心の声が、霊界と神様につながる窓口であると読めます。
縦と横、そして幽玄力
メシヤ様は、霊界にはもう一つの三段があると説かれています。
幽玄界、想念界、言霊界は緯になる。 (講話集補141)
神界・幽界・現界が「縦(経)」だとすると、幽玄界・想念界・言霊界は「横(緯)」。そして、この横の一番上にある幽玄界が、先ほどの御教えにあった「霊魂の元」です。

つまり霊魂は、縦では幽魂(幽界)と現魂(現界)として働き、横では霊線によって元の幽玄界と繋がっている。縦と横が交わるところに置かれているのです。
霊魂は、縦の霊層界だけのものではない。緯の世界、幽玄界に「元」を持っている。 図②の左にある幽玄界と、真ん中の霊魂を結ぶ線が、その「霊線」です。
幽玄力とは何か
「幽玄力(ゆうげんりき)」。御書に出てくる御言葉ですが、その意味を深く考える機会は、これまであまりなかったかもしれません。ここでは、御書の言葉を手がかりに、幽玄力を読み解いてみます。
① 幽玄力は「霊魂の元」から放たれる光
「幽玄」とは、奥深く、はかり知れないことを表す言葉です。御教えでは、幽玄界は霊界の一番上であり、「霊魂の元」でした。
そして「基督教と善悪」では、幽玄力が「光」と並べて語られています。
光によって、幽玄力によって見分け得るのを知るべきで、幽玄力を強く応用すれば、太陽の火素が比較的に弱い黄泉国にも打撃を与え得るのである。
この二つを重ねると、幽玄力とは、霊魂の元である幽玄界から放たれる光の力だと、私は拝察しています。
② 幽玄力の二つの働き
御書には、幽玄力の働きが二つ書かれています。
一つ目は、善と悪を見分ける力です。
その善悪を見分ける問題こそ神を通じて初めて出来るから、光によって、幽玄力によって見分け得るのを知るべきで
何が善で何が悪かは、人間の頭だけでは見分けられない。光に照らされて、はじめて、自然にわかるものだというのです。
二つ目は、黄泉国にまで届く力です。
幽玄力を強く応用すれば、太陽の火素が比較的に弱い黄泉国にも打撃を与え得るのである。
黄泉国は、太陽の火素が届きにくい世界です。先ほどの、幽世大神様が主宰される幽界の中でも、「地獄の方が濃い」とされた領域にあたります。そこにまで、幽玄力の光は届くのです。
③ 幽玄力を強めるには
では、その光を強めるにはどうすればよいのか。同じ御論文に、その答えがあります。
その為の福音書拝読で、その為の浄霊で、その為の幽玄力で、その為に私が生まれてメシヤ教を創立したのである。何故なら皆は霊と心を浄め、正守護神の霊力を強くして、邪神の頭目と闘って勝たねば天国人になるのは出来ないからである。
御書の言葉をつなげると、次のような流れになります。
- 拝読と浄霊で、霊と心を浄める
- 正守護神の霊力が強くなる
- 霊魂の元である幽玄界の側から、光が強く放たれる
- その光、つまり幽玄力が、善悪を見分け、黄泉国にまで届く
(1・2・4は御書の言葉、3はそれらをつなぐ私の拝察です)
一人ひとりの霊が浄まり、光を放つことが、黄泉国まで含めた霊界全体の浄化につながっていく。メシヤ様が「その為に私が生まれて」と書かれた理由が、ここにあるのだと思います。
私の一言
霊界は三段、その中がまた三段。仏教も神道も、同じ世界を別の言葉で語っていました。
そして私たちの魂は、縦と横が交わるところで、霊界と現界の両方につながっている。
緯の霊魂があると、今まで学んでいなかったのではないでしょうか。
今回は「幽玄力」という意味も深く分からせていただきました。
こうして並べてみると、霊界は遠いどこかの話ではなく、今ここにいる私たち自身の話だと感じます。
日々の拝読や浄霊で霊と心を浄め、良心を心がける。それが自分の魂を光らせ、やがて黄泉国にまで光を届けることにつながっていく。
そう思うと、毎日の小さな実践が、とても尊いものに思えてきますね。
日々を大切に実践していきたいものです。
出典
- 御講話(「霊界も一、二、三」)
- 「神幽顕、幽玄界、想念界、言霊界に就て」講話集補141(昭和23年)
- 「幽冥界と幽界」講話集補142(昭和23年12月22日)
- 講話集補144(昭和24年5月12日)
- 「幽魂・現身の関係と使命」講話集補268
- 「基督教と善悪」
- 日本書紀 神代下(国譲り・一書第二)
- 11月月次祭の学びより
※毎月の月次祭の学びは、サイドメニューの「学び」からご覧いただけます。
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