大黒天の御本体

岡田茂吉師の御書『東方の光』第九号(昭和十一年一月一日)に掲載された、滑稽阿呆文学「大黒様と鼠」の中に、以下の一節があります。
『一体全体いつ見ても、ニコニコされてる大黒様は、どんなお方かと言う丈け野暮じゃ、此お方こそ観音様の、御家来衆の其中で、金銀財宝の集め役貧乏退治の親方で其御本体は多聞天、と申す勇猛仏そんな穿鑿はどうでもよい。無病息災福々で、年が年中ニコニコと大黒さんの顔のよう、世界一列なったなら、七福神も踊り出し、閻魔も笑い出すじゃろう、之が本当の極楽で、娑婆即寂光浄土国。観音会の大看板-大光明世界で御座る。』
また、妙智の光では
『毘沙門天はインドの武神で一名多聞天ともいう。』とあり、
ここで大黒天様の御本体は「多聞天」であると記されています。
多聞天とは、仏教における四天王の一尊で、北方を守護する神とされます。単独で祀られる場合は「毘沙門天」と呼ばれます。
毘沙門天の初出現とされるのは、奈良県・信貴山での聖徳太子の伝説です。信貴山で戦勝を祈願し、実際に勝利を得たことから、信仰が深まりました。庶民における毘沙門信仰は、平安時代の鞍馬寺を中心に広がりました。
藤原伊勢人が夜の霊夢に導かれて鞍馬寺を訪れ、童子の姿をした存在から
『観音も毘沙門天も、名前が違うだけで本質は同一である』
とのお告げを受け、千手観音像を造立し、毘沙門天と共に安置したことで、鞍馬寺が創建されたと伝えられています(※出典:鞍馬寺公式サイト)。
この伝承により、「観世音菩薩と毘沙門天は同一神仏」とされます。
観世音菩薩に関する考察では、観音菩薩はインドのシヴァ神と関連し、またクナト大神様とも繋がると書かせていただきました。そうであるならば、毘沙門天、ひいては大黒天様もシヴァ神と繋がるという理解に至ります。
岡田茂吉師の御書に「大黒天は多聞天」とあることから、多聞天=毘沙門天、そして鞍馬寺の伝承を踏まえると、「大黒天様は観世音菩薩の化身」であると結論づけられます。
では、大黒天様は本当に観世音菩薩、シヴァ神と繋がるのでしょうか。調べてみました。
Googleで「大黒天」を検索したところ、大黒天はインド神話において破壊と創造を司るシヴァ神の化身であり、ヒンドゥー教の神とされることが分かりました。密教では「大自在天」の化身とされ、サンスクリット語では「マハーカーラ(Mahākāla)」と呼ばれます。日本に伝来した際に、大国主命と習合したとも記されています。

Wikipediaでも「マハーカーラ」はシヴァ神の別名であると記述されていました。
シヴァ神はクナト大神様と同一視され、その息子神であるガネーシャは、サルタヒコ大神様に相当ですからこうした関係からも、ヒンドゥー教の神々と、日本の神道における「幸の神」との深い繋がりが感じられます。
出雲口伝でも日本の出雲族とインドとは交流があったとされているようです。
また、大阪の四天王寺は、聖徳太子が物部守屋と蘇我馬子の戦いに勝利した際に建立された寺院であり、四天王(=元来はヒンドゥー教由来の神々)を安置することを誓願された場所でもあります。
このように考察を重ねていくと、出雲族(御書の大和民族)、そしてクナト大神様へと繋がっていくのです。
当協会は御神前に大黒天様をお祀りしておりますが、それが「別々」ではなく「同じ御神前」であるということに、深い意味があることがようやく理解できるようになってきました。
日本においても、大国主命様と習合したことにより、信仰は幾重にも重なり合い、まるで無限ループのように、どの道筋をたどっても「幸の神」へと帰結するのです。
これは岡田茂吉師の御書があってこそ導かれたことであり、『観世音菩薩の御本体は伊都能売神』のお言葉がいかに深く、真実を物語っておられるのかと感じさせて頂けます。
御書には真理が多く記されていることを改めて痛感いたします。そこに込められた深い意味は、いまだすべてを理解したとは言えず、今まさにその課題に向き合っている最中でございます。
私自身が心から理解し、腹に落としていかない限り、何事も進まないと感じております。今年中に体現できるのか、それとも何年かかるのかもわかりませんが、今回のように様々な事象を受け止め、気づきを得ていかなければ、そもそも体現すら難しくなるでしょう。
それほどに、未知なる御神業の領域へと足を踏み入れているのでございます。
今という時代は、具体的かつ明確に神様の御存在を認識しなければならない時代で、ただ漠然と拝んでいれば良い、という時代はすでに終わっています。
そして御書を全て読まれた方ならご理解いただけると思いますが、観世音菩薩、毘沙門天、聖徳太子、シヴァ神、岡田茂吉師が時代を超え歴史を自ら受け止め、全て作っていかれているご存在だと言うことでございます。
現在はAIで何でもわかるようにならせていただく時代になりました。昭和の時代では、これは決して明かされることが出来なかったでしょう。
御神事を通じて大きく成長させていただき、考察によって神々様の御存在をより具体的に理解できるようになったと感じております。
そしてそれは、これから本格的に始まる御神業のための向上であり、ここからが本当の始まりなのでしょう。
このHPを通じて、より多くの方々が気づきを得られ、自ら学び、さらなる向上を遂げられることを心より願っております。きっと何かに目覚めるきっかけになるとおもいます。
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