御啓示の主、絶対力の根源を求める

二つの引用文からご賢察いただきたいのは、私達がメシヤ様の御神格に対する認識を深めてゆく程に浄霊力が強化された体験に基づく思考の広がりへの願いです。メシヤ様の御神格に対する認識を新たにさせていただくことを通して、私達が取り次がせていただく浄霊は強化を許されました。そのお蔭で日々御守護に包まれた生活を許されております。

それは、創造主であられる主神様からの絶対力であるからなのです。

創造主という御存在が38億年掛けて生命を進化させて最後に人間という完成した肉体をお造りになりました。生命誌という領域でその仕組を検証することができます。取り分け生物学を通して肉体の精巧さ、緻密さ、完璧さが理解できます。その全ては創造主であられる主神様の手中で為(な)されてきたのです。ですから、重複しますが創造した御存在から注がれる御力だからこそ、本来の在り方に整えられ、結果的に奇蹟が顕著なのです。そのことをまず再確認していただきたいのです。

そして、次は浄霊力と御教えの確かさを体験した状態に留まるのではなく、根源的なことに目覚めてゆく取り組みを通してこそ、『霊性の向上』が継続的に許されることを再確認していただきたいのです。そのためには更なる認識の深まりと思考の広がりが必要です。

言霊学者の大石凝眞素美(おおいしごりますみ)翁は「天地茁貫(てんちはぬき)之極典」において、天地創造の神秘を誤り伝えられた者が居り、それを正す時に必要なこととして次のように記述しています。

「故(か)れこの霊聲(こゑ)を總(すべ)て一言(ひとこと)にす(素に氣と書く)と言ふなり故(ゆえ)にす(素に氣と書く)聲(ごえ)の言靈(ことだま)を誠に明細に説き定る時は、世界一切の極元(ごもと)の眞體(しんてい)をも其(その)成り立ちの秩序をも億兆万々刧々(こうこう)年度刧大約(おほつな)恒々兮(たる)大造化の眞象をも遂一明かに、資(と)り得らるるなり。

蓋(けだ)し「ス」の言たるや⦿(す)にして⦿(す)なるが故に既に七十五聲の性靈を全備して、純乎(じゅんこ)として各皆其(その)眞位(みくらい)を保ちつつ有るなり、其(その)眞位(みくらい)と謂ふは皆兩々相向ひて遠近皆悉く反對が純一に密合の色を保ちて實相しつつ、至大極乎として恒々兮(たり)活機臨々として點々(てんてん)たり、所謂至大氤氳(いんうん)の氣が聲(こえ)となり起むと欲して堪々の中に神機を含藏するの時なり、故に世に人たる者は先づ第一に此(こ)の⦿(す)の謂れを明かに知らざるべからざるなり、⦿(す)が皇(スベラギ)の極元(ごもと)なればなり。(大石凝眞素美全集・八幡書店)」

「天地創造の神秘を誤り伝えられ」というのは、覇権主義により『夜の時代』になってからの覇権者によって構成された歴史観であることは言うに及ばないことでしょう。また、この内容をはじめとする全集は、出口王仁三郎大本教聖師によって大正七年に機関紙「神霊界」大八洲号において本田霊学をも組み入れた形で紹介されています。

メシヤ様が大本教で霊的修行を積まれたことからも、人間的には御存在に対する理解を深める時期をお持ちであられたことが拝察されます。そして習得されたからこそ、見真実の境地に達せられ、しかも『みくらたなの神様』が御宿りになるに至った、と拝されるのです。ですから、『世界救世(メシヤ)教 教義』の御発表や『文明の創造』の御執筆は、主神様の御存在に対する明確なる認識を初めに促されている、と受け止めることができるのです。

そして、それは浄霊による絶対力の認識ができた者だからこそ、絶対力の根源にある御存在を理解できるのです。

また、大本教から派生した大本神諭や日月神諭などが「⦿」の御文字によって時代の大転換が行なわれると示した背景も、当然ながらこうした言霊学研鑚の延長線上に存在していることが解ると思います。

しかし、こうした学びを重ねた上で、天上の王権のシンボルとしての御存在『みくらたなの神様』への認識が“徳の象徴”としてではなく“覇権主義レベルの王権”と繋がったために、恐らくメシヤ様は大本教を離れられたのではないか、と拝されます。

こうした論究を重ねる際に、引用の短い文章の中の文言を一言一句ずつ検索してみると、ありとあらゆる研究の情報が紹介されていることに驚かされます。しかし、『解脱』の御教えにありますように、知れば識るほど動きが止まる恐れがあります。その内容の崇高さと現実の宗教団体の低俗さの狭間に苛(さいな)まされるからです。そうしたこともあり、「メシヤ様御降臨祭」挨拶で、「神界からの見方は『どう動くか』に尽きるのです。」と述べたのです。

また、部分的な理解はあるが、系統だった全体像と現実世界の関わりを示したものは見当たりません。やはり、最新の学究の成果を手にしてゆき、主神様の御意図を求め続けなければならない、と強く思わされます。

 

平成23年1月メシヤ講座より

 

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