世界救世(メシヤ)教早わかり
(昭和25年11月20日)
はしがき
此(この)小著は、まだ本教を知らない人の為に、手引としてかいたものであるから之を読んだだけでも、本教の片鱗に触れ、概念だけは得られると思う。何しろ本教は今迄の宗教とは余程異っており、既成宗教観念では一寸判り難いと共に其(その)点に本教の大いなる意味を見出すのである。早く言えば、今迄と余り異いがない宗教とすれば、発生の必要はないからである。
そうして、如何なるものでもそうであるように、宗教と雖も其(その)時代は固より未来に渉って迄の、何等かの使命がなくてはならない。成程、真理そのものは未来永劫不変であるが、宗教自体の在り方としては、時代即応でなければならないのみか、寧ろ時代の指導的役割をするのが本当であろう。
此(この)意味に於て、既成文化も既成宗教も、時の推移に従って存在の意義を変転するのは元より、そこに進歩向上があるのである。何よりも今日の如き知的文化人に対って、仮え原始人を済度し得た宗教を以てしても、其(その)目的を達成する事は到底出来得ないであろう。
本教は、元来神道に非ず仏教にも非ず、勿論キリスト教でもないと共に、本教には神仏基の何れもが包含されているばかりか、科学も本教の中に在って、而(しか)も現代科学よりも数段進んでいる。此(この)様に凡ゆる文化は悉く内在しているのが特異性である。そうして本教は一切の誤謬を是正し、よりよき文化たらしめ病貧争絶無の世界たる、地上天国を造らんとするのである。此(この)様な空前の大目標を掲げて、其(その)可能を確信するというのであるから、先づ世紀の驚異といってもよかろう。併し乍(なが)ら此(この)様な救世の大事業は、到底人間力で出来るものではない。としたら茲(ここ)に偉大なる神霊が本教を加護されている事を、信じない訳にはいかないであろう。