『信仰即生活』の実践に役立つ事例

稲盛和夫という人は「働くことが人間性を深め、人格を高くする。働くことは人間を磨くこと、魂を磨くことだ」と述べております。社会で真に成功した人、時代に名を残した人々が到達する一つの境地です。心に留めておいていただきたいと思います。

また、ヤンキースの松井秀喜選手が高校時代に監督から絶えず掛けられていた有名な言葉があります。「心が変われば、行動が変わる。行動が変われば、習慣が変わる。習慣が変われば、人格が変わる。人格が変われば、運命が変わる」という、良い言葉です。

こういう珠玉の言葉を拾い始めますと、NHKドラマの「ちりとてちん」にも飛びっきりの台詞が出てきます。主人公の若狭が入門を許されますが、初めは下働きばかりで、当然ながら落語の稽古をつけてもらえません。掃除洗濯炊事の日々に悶々として、ある日師匠へ「落語の稽古をつけてください」と願い出ます。すると、「つけてやってるやないか」との返事です。

その返事の意味が判らないところへ兄弟子の草原が現われます。草原へ問い掛ける若狭へ“趣味でやるのか”、“プロになりたいのか”と問い返します。そして、“落語というものは仰山の人に気持ちよう楽しんでもらう仕事や。落語家になるためには人がどうしたら気持ちようなってくれるのか判らんといかん。炊事洗濯掃除などの家事は、それが判るようになるための稽古の一つなのだ”と説明してやります。

若狭はそれを聞いて、下働きに身を入れてゆきます。打ち込んでゆきますので、見る見る人間が変わってゆきます。そして落語の稽古をつけてもらえるように成長してゆく訳です。

ここに主婦の方も大勢いらっしゃいますので、家事の根底にはそうした願いも流れているのだ、ということを参考にしていただければ幸いです。取り分け子育て中の人は、毎日小さい子供の後ろを追いかけて掃除せねばならないのですが、その積み重ねで家族が気持ち良く過ごせる訳ですね。

『信仰即生活』の実践に役立つことばかりです。

また、御教えの中で夫婦のあり方について触れている一節があります。短いので暗記しておいていただきたいと思います。

まず、『夫は妻を親切にし安心させ喜ばせるようにする』ですね。そして『(世の中の為になら)妻は夫を気持ちよく働かせるようにする』(『幸福の秘訣』から抜粋)。これが夫婦の間で心掛けたいことの内容です。

昔から漁師の家庭では“漁に出る前に夫婦喧嘩はするな”と伝承し、心掛けられてきました。例え喧嘩を吹っ掛けられても、軽くかわして笑顔で送り出さねばなりません。これは漁師だけではありません。様々な職業の人々でも同様なことです。実は内助の功とはそこにあるのだということを、私達はもう一度認識しておかねばなりません。

平成19年12月メシヤ講座より

 

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